問題を起こしやすい特定の人に対する援助

相続人のうちの特定の人だけが被相続人の生前にいろいろな形で資金援助を受けることがあります。例えば結婚の支度金を出してもらったり、家の購入資金の一部を援助してもらったりなど、形はいろいろですが特定の人だけが被相続人から資金の提供を受けることがあります。このような利益のことを特定受益といい、受けた人は特定受益者と呼ばれます。

特定受益は相続財産の前渡を受けたものとされ、相続分から差し引かれます。しかしこの特定受益は相続トラブルの種になりやすいのです。なぜなら、受けた時期や金額が必ずしも明確でなく、それに受けた当時と遺産分割時での貨幣価値が変わっている場合が多いからです。したがって相続開始時の時価で評価し直さなければならないのです。この評価は相続人の話し合いによって行われるのですが、ここではお互いの思惑の違いから評価額が異なり、それが原因にトラブルが発生し、結果としては家庭裁判所の調停に申し立てることになるのです。

特定受益は相続分から差し引かなければならない

遺産分割の際に問題になりやすい特定受益ですが、この特別受益は別に珍しいことではなく、どこの家庭でもごく普通にあることです。とは言え、この特別受益が原因で遺産分割の話し合いがこじれ相続人である兄弟姉妹間で争いが起ることは珍しくないのです。

そうしたことが起るのも元はといえば、故人がちゃんとした遺言書を残さなかったことと、相続人たちの相続に対する知識の欠如が原因なのです。親が亡くなったら必ず相続の問題が発生することを相続人になる人は常日頃からよく考えておかなければならないのです。

ましてや2015年からは相続税が改正され、基礎控除額が大幅に低くなり、相続の申告が必要になる人は一気に増えると予想されています。相続はいまや金持ちだけの問題ではないのです。今からでも遅くはありません。肉親間の醜い相続争いを避けるためにも、相続について学習しましょう。